太田でつくる正直なオリーブオイル『アグリみらい21』前編

 

国際大会で金賞を受賞した100%太田産オリーブオイル
生まれも育ちも100%太田市、というオリーブオイルがあるってこと、みなさんはご存知ですか?
そのオリーブオイルは、太田市阿久津町にある、(株)アグリみらい21さん で作られています。

それだけだと、へーそうなん? で終わってしまうかもしれませんが、勿論、これだけでは終わりません。実は、この太田市産オリーブオイル、世界のオリーブオイルと並んで、国際オリーブオイルコンテスト(OLIVE JAPAN® 2015)で、堂々金賞を受賞した、極上の逸品なのです。

 

オリーブの実から出来る植物油
オリーブオイルって何から出来るの? という方もいらっしゃるかもしれませんので説明しますと、オリーブオイルは、オリーブの木の果実から作られる植物油です。

ガーデニング・ショップでもよく見かけるので、庭やベランダでオリーブの木を育てているご家庭もあるのではないでしょうか。
最近では、お店の植栽としてカフェやレストランなどでも、よく見かけるようになりました。太田市内や館林、足利あたりでも、オリーブの木を植えているカフェがいくつか思い浮かびます。

 

 

OLIVE JAPAN®とは
国際コンクールが行われる、OLIVE JAPAN® についても、少々説明しておきたいと思います。
OLIVE JAPAN®は、オリーブをテーマにした一大イベントです。2012年度より毎年実施されるようになり、オリーブ関連イベントとしては日本最大とのこと。
世界各国から招待者や審査員、パネリストを招き、オリーブに関する各種シンポジウムや、オリーブオイルコンテストやオリーブソムリエコンクールなどのイベントが行われます。また更に、受賞オイルの即売会やオリーブオイル関連のワークショップなど、様々な関連行事も開催されています。

OLIVE JAPAN®で行われる、OLIVE JAPAN 国際エキストラバージンオリーブオイルコンテスト(OLIVE JAPAN International Extra Virgin Olive Oil Competition)は、日本で唯一の国際的なオリーブオイルコンテストです。
2015年度は、日本を含む世界22か国から400品以上の出品があり、12品の最優秀賞、152品の金賞が選ばれました。(詳細は2015年度受賞者リストにて)
世界各国のオイルが受賞する中、金賞152品のうち、日本のオリーブオイルは14品ありました。殆どが香川県(小豆島など)の品でしたが、この中に、(株)アグリみらい21さんの「群馬県太田市で生まれたエキストラバージンオリーブオイル」も含まれていました。

 

厳しい審査規定
OLIVE JAPAN®のコンテスト審査規定によると、コンテストの運営は、完全な公平性を保つために、様々な規約が設けられているそうです。
例えば、主催者と審査員は、いかなる団体や国の支援や援助を受けないこと、また、審査対象を完全に秘匿して審査すること(ブラインドテイスティング)、更に、審査員の利害が絡むと思われる対象は事前に審査から除外されること、などなど。審査時も、審査用グラスの指定や規定量、オイルの保温温度(保温器で28º C(+ 2º C以内))、グラスの洗浄方法まで、こと細かに規定されており、そのあまりの細かさに、読んで圧倒されました。(詳細が気になる方は、OLIVE JAPAN®の審査規定をご覧下さい

こんな厳格な規定を経た上で、訓練を受けた国際的な第一線の専門家達によってオリーブオイルの品質が明確に評価されています。
審査員の国籍はスペイン、イタリアを始め、ギリシャ、オーストラリア、モロッコ、アルゼンチンなど、著名な生産国から選ばれた方々です。OLIVE JAPAN®2015の場合、全審査員20人中、日本人は4人でした。OLIVE JAPAN®では、公明正大な審査を行う上で、過去の審査員情報等を日本語と英語で参照することが可能です。イベント自体は、オリーブ生産国の各国大使館も後援しています。

そんな素晴らしいエキストラバージンオリーブオイルは、一体どんな場所で、どんな方が作っているのでしょう?

気になるあれこれが知りたくて、太田市阿久津町にある、(株)アグリみらい21さんの事務所にて、代表取締役かつ、オリーブオイルソムリエの山田茂さんに直接お話を伺って来ました。

 

種子の草花から挿し木のオリーブへ
一番最初の質問として「どうしてオリーブオイルを作ることになったのですか?」と伺ってみたところ、「最初はオリーブの苗木を販売していただけだったんですよ」と山田さん。

 

 

(株)アグリみらい21さんは、元々ここ太田の地で、草花や苗木の生産や販売を行っており、かれこれ創業20年になるそうです。
近年、苗木業界も種子や原材料費などの高騰等、様々な問題から、採算が厳しい状況とのこと。種子だけに頼らずに済むよう、挿し木で増やせる苗木や草花などを探す中で、挿し木で増やせるというオリーブに着目したのが、今から十年ほど前のこと。
当時、周囲にはオリーブ栽培の前例も無い中、山田さんは独学で試行錯誤を繰り返しつつ、様々なオリーブの苗木を育てては、徐々にオリーブ畑を増やしていきました。「現在、売上全体のおおよそ2割がオリーブです」と山田さん。

「知らない品種を市場で見つけると買いますね」と山田さん。現在、栽培しているオリーブの種類は22種ほどあるとか。「どうしてこんなに多くの品種を揃えているんですか?」と伺ったところ、「私は変わってる物、新しい物が好きなんですよ」と、山田さん。
そもそもオリーブの木は自家結実性が弱い(自家受粉が出来ない=DNAが同じ花粉には実をつけない)ため、果実を成らせるためには、他の品種のオリーブを近くに植える必要があるそうです。

 

 

試行錯誤の日々
オリーブの苗木を育てておよそ5年後、オリーブの木に実がつき始めたそうです。苗木は育ち、出来る実は年々増えていきました。
「最初の年は出来た実をどうして良いか分らず、そのまま堆肥にするしかありませんでした」と山田さん。
せっかく出来た実をそのまま捨ててしまうのは勿体ない。どうにか加工出来ないものだろうかと色々調べた結果、翌年は、小豆島でオリーブ搾油機を持っている方に、収穫したオリーブの実を送って搾油して貰うという方法で、オリーブの実をオイルに加工することになりました。

小豆島から送られてきたオイルを実際に味わってみたところ、そのあまりの美味しさにびっくり! 自分がいままで味わってきたオリーブオイルは何だったのか、と思ったそうです。
翌年も小豆島の方に加工をお願いしましたが、そろそろ搾油も自前で。。。という流れになっていきました。

自分でやるならと、2013年に小豆島で行われていたマスターミラー(搾油技術者)講座で搾油技術を学び、オリーブオイルを絞る技術者の証である「マスターミラー(搾油技術者)」という資格を取得した山田さん。更に、翌年にはオリーブオイルソムリエの資格も取得し、オリーブとオリーブオイルへの理解をより一層、深めて行きました。
そして2015年の秋には、太田市産のオリーブを太田市で搾油することに成功し、OLIVE JAPAN® 2015にて金賞を受賞という運びになったのでした。

 

 

実際にどんなオリーブオイルを作っているのでしょうか? そのお話は、次回の中編に続きます。

 


 

国際大会で金賞を受賞した100%太田産オリーブオイルがキタノスミスコーヒーで購入できます!

 

 


 

株式会社アグリみらい21
〒370-0401 群馬県太田市阿久津町791
0276-52-5637
http://www.agurimirai21.com/

 


 

(ライター:西村陽子)

 

2018.02.26_17:56|カテゴリー:HUMAN|タグ:

Comments are closed.


Trackback URL


alt+ota〔オルトオオタ〕

Copyright © alt+ota All Rights Reserved.

ページの上部へ↑