あなたの背中を押してくれる多国籍料理店――『meals(ミールズ)』

 

2016年5月。金山のふもと、そして大光院や八瀬川からほど近い、太田の古き良き場所にオープンした「meals」。元々老舗の蕎麦屋だった店舗を改装し、おしゃれで開放感のある多国籍料理店に生まれ変わりました。しかしここ、ただの飲食店ではなかったのです……!

 

昼はデリランチ、夜はタイ料理…?

以前は蕎麦屋だったという店舗は、住宅街のなかにひっそりとたたずみながらも、存在感のある平屋建て。お店のなかもスッキリとしていながらあたたかみがあり、とても居心地のよい空気感。「ここが本当にタイ料理店!?」と疑いたくなるほどの、スタイリッシュな空間です。

 

 

mealsの営業形態はちょっぴり風変り。平日昼間は、数種類のデリのなかから選択できるプレートランチ。平日夜と土日祝日は、本格的なタイ料理店になります。

 

 

mealsを運営するブルックアンドカンパニーのおふたりにお話を伺ったところ、なんとも面白い実態が潜むお店でした。

 

旧友と未知の世界に踏み出した「meals」というかたち

ブルックアンドカンパニー代表取締役の、沖山さん。沖山さんは、mealsのタイ料理担当のシェフでもあります。そしてもうひとり、創設者でありmealsのディレクターを務めるのが、小川さん。沖山さんと小川さんは、太田高校の同級生。しかも、苗字が「お」ではじまるふたりは、同じクラスで席が前後だったのだそう。

 

(左から、小川さん・沖山さん)

 

沖山さんは不動産業の道へ、そして小川さんは弁護士の道へ――もともと仲がよかったふたりは、別々の道に進み、離れた場所に暮らしていても、常に連絡は取りあっていました。

やがてふたりとも故郷に戻ってきたときに、「太田市の魅力をもっと発信したい、そして住まう人々にもそれをもっと知ってほしい」と感じるように。「元々自分が故郷の魅力なんて全然わからなかった。でも、帰ってきてみたら歴史も産業も農業もある。そこに住んでいる間は気づかない、知らない魅力がたくさんあるんですよね」と、小川さんは言います。「魅力を再発見してもらうためには、今ここにいる人たちが、一歩踏み出すための居場所が必要だと感じました。ものづくりやサービス業、文化活動、表現活動、なんでもいいんですが、何かやりたい!と感じている人と、それをサポートできる仲間や専門家、事業家がつながれる場所。それこそが、地域の魅力の再発見につながるのではないか、と」

そんなことをふたりで話している最中、沖山さんは大好きなグリーンカレーを作るところから、タイ料理の勉強を思案。「それ、本格的に勉強して、タイ料理が食べられる“居場所”をつくろう!」と、ふたりで未知の世界に進むことを決意。沖山さんは、仕事をしながら週に2回都内のタイ料理の学校へ通ったのち、タイ料理店で住み込みの修業。小川さんは、資金調達やお店のブランディングに奔走。ふたりで料理の試作を何度も行い、2016年5月に晴れてオープンしました。

 

みんなで温故知新のお店づくり

お店は、元々「石切庵」という蕎麦屋さんでした。ご主人の引退とともに閉店が決まり、そのお店の歴史と立地の良さを引き継ぎたいと、すぐに「貸してほしい」とお願いしたのだそう。「ありがたいことに、内装などは好きにいじっていいと言ってくださいました。そこで、藪塚に設計事務所を構えている一級建築士の小島光晴さんに依頼し、使えるものはできる限り残してもらう方向で、設計をお願いしました」と、小川さん。そのものが持つ魅力と、おふたりの意図をじゅうぶんに引き出したお店が完成。「内装がステキですね」と言うお客さんも多いそうです。

「お店で使っているテーブルは同級生の娘さんが塗ってくれたし、壁もみんなで塗ったんです。メニューの紙を下げている棒は、ここで蕎麦を打つときに使っていた麺棒なんですよ」と、沖山さんが教えてくださいました。

 

 

「meals & incubation」 という展望

mealsには、「& incubation」という店名の続きがある、と教えてくれました。「incubation」とは、「ふ化(卵などの)」という意味。この場所から、誰かが殻を破ってかたちにしてくれることを望んでいるそうです。

「場所探しや資金の調達、人材の確保など、わたしたちもどこから手をつけて良いか、開業までに不安を感じたこともありました。しかし、幸いにもサポートしてくれるたくさんの方々に恵まれ、mealsをかたちにすることができました。そうしたつながりを大切にして、今度はわたしたちmealsが、“一歩”を踏み出そうとする方を応援できる場所になりたいんです」と、沖山さんと小川さんは熱く語ります。

 

 

mealsにはギャラリースペースがあり、期間貸しはもちろん、物販も可能。ギャラリーだけでなく、お店の貸し切りも可能とのことで、イベント・セミナー開催などにも柔軟に対応してくれます。夜のお店もおすすめで、雰囲気がまたがらりと変わり、タイ料理といっしょに飲むお酒は格別。ぜひ一度気軽に出かけてほしいお店です。ノリのよい沖山さんと堅実な小川さんの名コンビが、おいしい料理とともに、あなたの“一歩”をサポートしてくれます!

(ライター:岩﨑未来)

 

 


 

meals(ミールズ)
住所 群馬県太田市大島町384-2
電話 0276-51-4299
営業時間 11:30~14:30 17:30~23:00
定休日 月曜
http://www.brookcompany.net/

 


 

2017.02.28_21:26|カテゴリー:HUMAN|タグ:

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