「太田に、直売所でしか買えない美味しいイチゴがある」
――太田市在住のグルメな女性は、知っている方も多いかもしれません。太田市中根町にある、『赤い幸せ』というイチゴの直売所。その直売所を運営し、イチゴをつくっているのが、『戸黒農園』さんです。3代目であると戸黒努さんに、直売所でしか売らないワケ、そしてイチゴへの想いを語ってもらいました!
「営業下手なオヤジの背中を見て育った」
いちご農家としては、3代目の努さん。ただし最初は農家を継ぐつもりはまったくなく、高校を卒業してからは一般企業で営業の仕事をしていました。
「オヤジは職人気質で、営業とかはまったくできない人。それでも、自宅の庭先にイチゴを買い求めに来るお客さんが結構来ていたんです」と、当時を振り返ります。
ハードな仕事生活が5年経った頃、「ここで培った営業スキルを、家業に活かせるかもしれない」と退職し、イチゴ農家を継ぐことを決断。お父さんにイチゴづくりを一から教えてもらいながら、他のいろいろなイチゴ農場を見学に行ったそうです。
若いころは飲食店でバイトも…そのワケは?
「若いころは、農場での仕事が終わったあと、夜に飲食店やパティスリーでアルバイトをしていました」と、戸黒さん。「イチゴをつくって売るからには、買う側・使う側の気持ちや状況を理解しなければ」という気持ちから、その現場で実際に働いていたというのです。
笑顔でサラッとお話する戸黒さんですが、ものすごく努力家であり、研究家であることがうかがえます。
「おかげで、当時働いていたお店でうちのイチゴを使ってもらってるんですよ。スパイみたいなもんですね(笑)」と、戸黒さんは笑います。
「うちのイチゴがある日は孫が遊びに来る」って(笑)
本来イチゴをスーパーなどに卸す場合、完熟するかなり前に摘み取って、出荷しなければなりません。そうすると、いちばんおいしい状態でお客さんの元にいくことは、どうしても難しいのが現状です。
「うちのイチゴは、9割がここの直売所で売れちゃいます。直売所で売ることによってギリギリまで畑に置いておけるので、完熟したベストの状態でお客さんに販売することができます」と、戸黒さんは言います。
そのイチゴのおいしさと、「直売所でしか買えない」というプレミア感が口コミで広がり、遠方からもたくさんのお客さんが来るようになりました。定期的に予約して買っていくお客さんも少なくないそうで、「戸黒さんちのイチゴがあるよ、って言うと孫が必ず遊びに来るのよ」と言われることも。イチゴが誰かを確実に幸せにしている、と実感した瞬間です。
人々を魅了するイチゴのパワー
現在戸黒農園にあるイチゴのハウスは、全部で15棟。つくっているイチゴは、やよいひめ、とちおとめ、おいしいベリーの3種類で、群馬県産の品種である「やよいひめ」が6割を占めています。
摘みたての「やよいひめ」をいただきました。
甘くて、みずみずしくて、中からジュワ~ッとイチゴの蜜があふれ出てきます。
「ほかの果物や野菜だったら、家業を継いでいないかもしれないですね。イチゴだから直売が成り立つ、っていうのも大きいかもしれないです」と言う戸黒さんの言葉の意味が、なんとなくわかった気がしました。「食べられる宝石」とでも比喩できるほど、一粒のイチゴが持つパワーは偉大です。
戸黒農園さんのイチゴは、12~6月のあいだ直売所「赤い幸せ」で購入できるほか、4~5月平日のみイチゴ狩りも可能。イチゴ狩りはすぐに予約でいっぱいになってしまうそうなので、お早めにお問合せを!直売所で購入する場合も、予約が可能です。みんなを笑顔に、幸せにする太田のイチゴ、ぜひご賞味あれ♪
(ライター:岩﨑未来)
戸黒農園とキタノスミスコーヒーのコラボ商品、季節限定『戸黒いちごのアフォガード』。
※いちごが無くなり次第販売終了致します。
戸黒農園(直売所「赤い幸せ」)
住所 群馬県太田市中根町245-1
電話 0276-32-4588
営業時間
【直売所】10:00~18:00(売り切れ次第終了) *販売は12月下旬~6月上旬
【イチゴ狩り】13:00~16:00 *4~5月の平日のみ、要予約
定休日 火曜(イチゴ狩りは土・日・祝日も休み)